朝晩が涼しくなり秋の空気が漂う季節になってきました。
都内にいると秋を間近に感じにくいですが、実家の三重に帰ると稲穂が広がりすっかり秋でした。
毎年、9月下旬になると三重県の実家に帰って稲刈りをしています。
特Aランク『伊賀米』
昨年、実家のお米を都内に卸せそうな機会があり、「伊賀米」について調べてみたことがあります。
今まで何気なく作って食べていたお米。
実際のところ、市場でどれくらいの価値があるんだろうと全く知らず、お店に卸すために値段交渉をしないといけないので調べてみました。
調べてみてビックリしたのですが、5年連続で特Aランクを取っている高級米だったということ。
今まで何気なく作って食べていたお米がそんなにも高級米だったなんてと驚きました。
金額もそこそこ高く、利益を考えるととても都内に卸せるわけもなく、商売になりませんでした。笑
全国の試験を行った139産地品種のうち「特A」は46産地品種
5年連続で「特A」評価は14産地品種とまさに全国に誇れるお米です。
伊賀市は昔、琵琶湖の底だった!?
なぜ、そんなにも伊賀米が美味しいのか?
そこには、古来から土地柄、美味しいお米が育ちやすい環境ができているということを知りました。
奈良県、滋賀県、京都府と繋がっている三重県伊賀市という土地は、昔は琵琶湖の底だったらしく、肥沃な土壌として良質さを保った土地ということ。
程よく粘土質でありながら砂地であることで、水の含み具合が良い。
さらに、淀川源流の伊賀盆地ということで、清流にも恵まれ、気候としてもお米を育てるのに最適の環境が出来ていたのです。
古琵琶湖層の土壌は今でも健在で、土壌・水質・気候ともに美味しいお米が出来る条件が揃っているのです。
農業はこれから、誰が受け継ぐのか?
伊賀市という地域は、年々過疎化になりつつあり、若者が減ってきています。
かくいう僕もその一人、田舎にいるよりも都内にいる方が人も多く情報も早くやりたいことができる。
若者が田舎から離れていく中、農産業の引き継ぎ手が減少しているのが手に取るようにわかります。
超高齢化社会で重労働である農業は生産性も悪くずっと継続出来るような状態ではない。
若者も泥臭く農業を魅力的に感じる人が少ない状態。
ある地域では企業の協力のもと米作りなどサポートしている場合があるが、全てではない。
地域全体で支え合える農業改革を
僕が思うのは、一人一人が所有している土地を地域全体でシェアして助け合って農産業を守っていくべきだと思う。
別に一家に一台コンバインやトラクター、乾燥機を持っている必要はなく、地域全体で土地とお金をシェアできる仕組みを作るべき。
お米の出荷量と一人当たりの労力、機材の維持費を考えるとシェアした方が確実に効率的だ。
昔からの人は、俺の土地は俺のもんだ。と言うかもしれない。しかし、広大な土地をずっと個で管理し続けるには限界があるし、老人になって体が動かなくなったら尚更。
無理に自力でやる必要はなく、助け合いながら労働価値と土地権利の価値をお金とお米で分配すれば問題ないと思う。
これをするためには、ある程度実行力と押し切る力と全体をまとめ上げる人がいないと実現しない。
誰か頭になって引っ張っていく人が必要だな。
伊賀米の可能性
海の幸も山の幸も、本当に美味しいのは現地でしか手に入らないとはこのことで、せっかくの美味しい伊賀米をもっとたくさんの人いに食べてもらえるように仕組みができたらと思う。
伊賀米ならではの噛み締めた甘みとつややかさは他にはありません。
本当に良い食材を、質を落とさずにリーズナブルな金額で全国に提供させるためには、生産量あたりのコストを下げる必要があり、そのためには個ではなく地域全体で団体など立ち上げて助け合っていく必要があると思う。
食べれば良さが伝わるのが食というもの。
本当に良い食材を求めている人に届くように創意工夫が必要だ。